玄関先のモッコウバラが小さな黄色の花弁を幾重にも重ねて重たそうに咲競う。芽吹いたばかりの新緑とまぶし過ぎる4月の陽光とはまったく相反してカラッとして少し寒々しい空気が気持ちい。「・・・ああ・・ハワイに来たみたい」と家人。確かにひんやりと澄み切った空気と強い日差しは彼の楽園の様相だ。
こんな正午前、さて昼には何を食べようか・・・・?「トマトのパスタが良い」との家人の提案、うーん、トマトにはヤリイカが合うなー・・・と・・早速食材を買いに魚屋へ。すると立派な鰆が私を待っていたではないか。本家、春の魚、鰆。新鮮なこの魚は刺身でも、焼きでも、蒸しても美味い、特にこの季節は脂がのって格別だ。それとヤリイカかも忘れずに買ってきた。という事でお昼は、鰆とヤリイカのフレッシュトマトのパスタとなった。2人分の材料は、鰆一切れ(大)、ヤリイカ中小3杯、トマト中3個、アスパラ2本、そして庭で採れたペパーミント。すべて春・・・トマトは夏か?。
鰆は調理の30分前には塩を振って、ドリップを出す。ドリップは水で流し水気を切って蒸し調理する。蒸した鰆のほわっとした食感がいい。(蒸す前に一口サイズに切っておくほうが良かった・・写真は1/2カットだが更に半分くらいが良いかなぁ)
蒸し時間は4分程度でさっと火が通る位で蒸し過ぎないほうが良い。蒸しあがったら皮面をバーナーで炙り焼き色を付ける。鰆を蒸し始めたらパスタをゆで始める(10分茹での乾燥パスタ)、塩分濃度は1%~1.5%・・・ちょっとだけしょっぱめ。
トマトはパスタのゆで汁で湯剥きして1/4か1/8カット。ヤリイカは肝と目玉を外し大きめに輪切り、鮮度が良ければ肝に塩を振ってオリーブオイルで焼いて添えてもなお良い(今回は別にしてビールのつまみにしてしまった・・・美味かった。)
フライパンに大匙2のオリーブオイルとニンニク1片、鷹の爪1つを弱火で炒め、ニンニクに焼き色が付き始めたらアスパラ・・・トマト・・・最後にヤリイカを投入し、30秒以内(感覚)にはパスタを加える。つまりパスタの茹で時間とヤリイカを入れる時間の同期が必要。
パスタを投入後、ペパーミント(好きなだけ)も加え、さらにオリーブオイル大匙1~2を加えフライパンの中のトマトの汁を乳化させる(水分量によってオリーブオイルを加える量は変わる。多めの方が乳化しやすいがカロリーは高めで味がオリーブオイルに寄ってしまう)。皿に盛って、先に蒸して炙った鰆を盛り付ければ出来上がり。(・・・味付けは無し、パスタの茹で汁のみで十分)
お味は・・・自分で作ったものは何でも美味い。普段ならそれぞれで十分に美味しいパスタになるところだけれども鰆とヤリイカ、二つのメイン食材を一皿にしてしまった・・・素人の欲深さは際限がなく、贅沢の暴挙に出てしまった・・・あさまし。・・・だから美味い。
勿論、鰆は焼いてもいただきました。シーズニング・スパイスとオリーブオイルでマリネしてグリルで焼けば最高の酒の魚(30分前の塩振りとドリップ流しは忘れないで・・・)・・・とはならず魚アレルギーの下の娘が殆ど食べてしまった。アレルギーだけれど魚は食べたいらしい、特に美味しい魚には目が無い
今度はお刺身で食したいなぁ・・・。